ジュエリーのイメージカットの撮影方法・コツ

ジュエリーのイメージカットの撮影方法・コツ

キラキラとしたジュエリーや貴金属アクセサリーの魅力は、なんといってもきらびやかな輝きにあります。高価な商品から手頃な価格で購入できるものまで、さまざまなジュエリーが販売されていますが、最近ではAmazonや楽天市場などのECサイトから購入するユーザーも増えています。

商品を手に取ることができないECサイトにおいて、ジュエリーの輝きを訴求するためには商品画像の撮影が重要なポイント。そこで今回は、ジュエリーのイメージカットを撮影する際の方法やコツについて詳しくご紹介します。

ジュエリーのイメージカットの撮影方法

まずはジュエリーのイメージカットを撮影する際の方法をいくつかご紹介していきましょう。アパレル商品や雑貨、家具や家電製品とは違い、ジュエリーは撮影時の光の加減や撮影場所によって魅力が半減することもあります。撮影前の準備段階から注意しなければならないポイントもあるため、正しい撮影方法を把握しておきましょう。

ジュエリーに付着したホコリなどを除去する

ジュエリーは他の商品に比べて個体の大きさが小さく、細部のデザインやカット模様を写すために接写によって撮影されます。そのため、ジュエリーにわずかなホコリや汚れが付着していると、写真を撮影した際に目立ってしまいます。

まずは商品写真を撮影する前に、細かなホコリや汚れが付着していないかを確認し、ピンセットなどで除去しましょう。ホコリや汚れが見えづらい場合は、黒い布や紙を背景にして確認することで発見しやすくなります。

指紋がつかないように手袋をはめる

ジュエリーを扱う際には必ず手袋をはめて作業を行いましょう。ホコリや汚れと同様に、ジュエリーに付着しやすい指紋も大敵です。撮影前にジュエリーの位置をセッティングする際に、手で直接ジュエリーに触れてしまうと指紋の付着は避けられず、汚れて見えてしまいます。

手袋は薄手のもののほうが扱いやすいですが、あまりにも使い古した手袋だとホコリが付着しやすいこともあります。そのため、可能であれば薄手のゴム手袋のほうが簡単に扱えるのではないでしょうか。

カメラのレンズはマクロを使用

ジュエリー写真は接写撮影が必要不可欠です。商品写真は一眼レフを使用するケースが多いですが、接写用として使用されるマクロレンズを選びましょう。写真のプロはジュエリー写真を撮影するとき、100mm前後のマクロレンズを使用するケースが多いようです。

マクロレンズを使用することによって、接写であってもジュエリーのみに焦点を当てて細部のディテールまで正確に表現できるためおすすめです。

ジュエリーのイメージカット撮影のコツ

ジュエリーのイメージカット撮影の基本が分かったところで、撮影におけるテクニックの一例をご紹介しましょう。ジュエリーのイメージカットは通常の人物撮影やサイズの大きな商品撮影などと違い、さまざまな工夫が必要とされるものです。

ジュエリーを上手に撮影するために必要な機材や道具、それらの効果的な使い方も含めて詳しくご紹介していきます。

レフ板とストロボを使用する

ジュエリーのイメージカット撮影はマクロレンズを使用して行われますが、接写の場合は必然的に周囲が通常よりも暗く写ってしまうケースが多いものです。そのため、イメージカットを撮影する際には通常の部屋の明るさよりも何倍もの光を集めて撮影しなければなりません。

そこで有効なのがレフ板とストロボです。レフ板とは光を反射させるための白い板のことで、テレビの撮影やモデル撮影でも目にすることの多いツールです。手元にレフ板がない場合は、白いコピー用紙などでも代用できるため、あらかじめ準備しておきましょう。

また、カメラのシャッターを切る際のストロボも重要なツールのひとつ。実際に写真を撮影してみると分かりますが、目で見るよりも暗く写ってしまうため、撮影時に補助的な光源となるストロボは重要です。

ライトの入射角を考慮して撮影位置を決める

通常の照明やレフ板、ストロボなど、ジュエリーのイメージカットにおいてはとにかく明るさが重要になります。しかし、それは同時に影ができやすくなるということも意味しています。

ジュエリーを撮影する際には商品を配置し、カメラの位置を三脚で固定してから影ができないように光の角度を調節する必要があります。このとき重要なポイントとなるのが、ライトからの入射角。撮影対象を真上から見たとき、照明が当たっている角度と同じ程度の角度から撮影すると綺麗な仕上がりになります。

当然のことながらライトが撮影者の後ろにあると影ができてしまうため、照明の反対側に立って同じ角度で撮影することを心がけましょう。

小物類を有効的に使う

ジュエリーの高級感や質感を演出するために欠かせないのが小物類です。ジュエリー単独で撮影してしまうと、どこか安っぽくチープな印象に映ることも多いのですが、背景色を工夫したり立体感を演出したりすることによってワンランク上の写真を撮影することができます。

小物類のチョイスはセンスが試されるポイントでもあり、ジュエリーの特性やターゲット層によってもおすすめの小物は変わってきます。

ジュエリーのイメージカットで使われることの多い小物

撮影者のセンスが試される小物類のチョイスですが、ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。いずれもイメージカットとしては定番のツールばかりですが、迷ったときには参考にしていただけるとさまざまなパターンの写真イメージが膨らむのではないでしょうか。

写真背景に使えるカッティングシート

まずはじめはカッティングシートです。文房具売り場や100円ショップ、ホームセンターなどでも売られているシートで、さまざまな模様やカラーのものがあります。

黒や大理石風のカッティングシートは重厚で高級感を演出する際に役立ち、淡いピンクやブルーのシートは可愛らしさやキュートさを演出する際に最適です。

ジュエリーを撮影する際は商品に焦点を当て、背景をぼかすことが多いため、カッティングシートの細かな柄やデザインまでこだわる必要はありませんが、世界観を演出するためには必要不可欠な小物といえるでしょう。

植物や花で無機質な印象を払拭

カッティングシートと定番の組み合わせとして利用されるのが、植物や花です。単独の色や柄だけでは無機質で単調な背景になりがちですが、植物や花といった自然のものを取り入れるだけで、生き生きとした印象を与えることができます。

ただし、植物や花もあくまでも脇役程度の存在であるため、ジュエリーのイメージカットを今後も撮影する場合には造花などを活用してみるのも良いでしょう。植物や花にピントを合わせるものではないため、精巧な造りの造花である必要もありません。季節に合わせた花や植物をいくつか用意しておくのも良いでしょう。

粘土で立体感を演出

指輪やブレスレット、ペンダントなどのイメージカットを撮影する際、平置きも良いですが立体感を出した写真のほうが魅力的に映るものです。特に指輪は垂直に立っている写真のほうが高級感があり、指にはめたくなるようなリアリティを演出してくれます。

立体感を演出するには編集用ソフトを使って合成するという方法もありますが、撮影時には粘土を使って固定することも可能です。ごく少量の粘土を使用するだけでも安定しやすいため、撮影時に使える一つのテクニックとして参考にしてみてください。

まとめ

アパレル商品や雑貨とは違い、ジュエリーのイメージカットは高度な撮影技術と演出が要求されるものです。光の当たり具合や撮影場所のわずかな違いにより、ジュエリーが放つ輝きは全く異なる印象を与えます。今回ご紹介したジュエリー写真の撮影テクニックやコツはほんの一部であり、撮影において注意しなければならないポイントは多くあります。

ジュエリーの素材やアクセサリーの種類によっても適した撮り方があるため、質感や高級感が伝わる撮影方法をいろいろと試してみてはいかがでしょうか。